今月の言葉は

 「白だ黒だとけんかはおよし 白という字も墨で書く」
              都々逸(どどいつ)より
です。

2月になりました。
寒い日が続いています。コロナやインフルエンザなど感染症の
予防にも気を使いつつ、免疫力を高めていきましょう。

さて、今月の言葉です。
まず、都々逸(どどいつ)とは江戸末期に始まった、
口語による定型詩で、七・七・七・五のリズムで成り立っています。
たくさんの面白い都々逸がありますが、
今回は教訓めいたものを選んでみました。

「白と黒」は、「是と非」、「善と悪」、「真と偽」など、
二つの対極するものを表現するのによく用います。

現代において「白黒つける」ことを必要とする事例(裁判など)も多々あります。
しかし、些細なことで「白黒つけよう」とすると喧嘩の元になります。
白という字を黒で書くように、実は善と思っていたことが悪であったり、
真実として扱われていたものが虚偽であったりすることも、世の中にあふれています。

さらには、
白と黒の間のグレーがないと映せない白黒テレビ。
白と黒が混ざって可愛らしいパンダ。
白と黒の鍵盤で美しいハーモニーを奏でるピアノ。
白だったものが一瞬にして黒に変わるオセロ。
など、そもそも「白黒つける」ことができないものもあります。

客観的な目をもって見ると、白だ黒だとはっきり分けず
喧嘩をしないで済むこともたくさんあるかもしれませんね。