今月の言葉は

 「生きるって、祈ることなのよ。」
『虹の岬の喫茶店』 森沢明夫

です。

3月になりました。

さて、今月の言葉です。
作中で、虹の岬にある喫茶店を一人で切り盛りする、初老の女性
悦子さんはある晩、店にやってきた泥棒に出くわし、語りかけます。
「生きるって、祈ることなのよ。」、
「いつかこうなりたいというイメージを持って、祈っているときは生きていける。」
また、「それがなければ自分にとって大切な人の未来を祈ればいい。」とも。

自分の未来をイメージして祈ることが生きること。
また、他人の幸せを祈ることも生きること。
とても素晴らしい言葉だと感じました。

私はその「他人」には、すでに亡くなっている方も含まれていると
思います。「ご冥福をお祈り申し上げます」とよく使いますね。

また、最近ではコロナやウクライナでの戦争など
私にはどうすることもできないことも多くありますが
無事や平和を「祈る」ほかにないのかもしれません。
自分が「祈りたい」と思い、「祈る」ことが
「生きる」ということなのでしょう。

※なかなか短い文章では、この言葉の良さが伝わりませんので
気になった方はぜひ本を読んでみてください!

『虹の岬の喫茶店』 森沢明夫
   幻冬舎文庫